以下では、子どもにとっての新型コロナウイルスによる影響、ワクチンの有用性や要否、感染により得られる免疫とワクチンにより得られる免疫、感染症対策の正の面と負の面などについて、様々な角度から情報を紹介します。
<Think Vaccine主催シンポジウムやディスカッションの動画>
動画URL:https://youtu.be/HPE1cD7hNqw
<講演者>(五十音順)
岡部信彦 川崎市健康安全研究所所長
田中真介 京都大学准教授 森内浩幸
長崎大学大学院教授
山口真美 中央大学教授
<コメンテータ>
古賀真子 ConsumerNet.Jp理事長
<司会> 家田堯(シンポジウム主催者)
講師:小島勢二(名古屋大学名誉教授)
2022年3月から公開が始まったファイザー機密文書、RNAからDNAへの逆転写を示す論文、抗原原罪を示唆する文書などについて、多角的かつ客観的な観点から考察します。子供のみならず全ての年齢層の接種を考える上で有用な観点が示されています。
ワクチンによるリスクとベネフィットを理解するにあたり、重要な観点を多く提供する動画です。
2022年3月1日までに得られているオミクロン株に関する最新の知見(国内のデータ等)も紹介しています。
2022年2月21日に開催したディスカッションです。小児科医の方々のご要望により実現しました。
シンポジウム動画(「若い世代のワクチン接種 多角的に考える接種の意義とリスク・ベネフィット」)
4時間超におよぶ長いシンポジウムですが、ウイルスによる影響やワクチンのリスク・ベネフィットについて包括的な議論がなされています。お時間がなければ、冒頭の90分ほど(森内氏と小島氏のお話の部分)だけでもご覧になる価値があります。
<Think Vaccineにコメントをお寄せ下さった方々の見解>
健康な子ども達への接種の意義、ワクチンを用いた社会の防護、mRNAワクチン以外のワクチン等について、北里大学大村智記念研究所の中山哲夫特任教授のご見解を紹介します。接種の根本的な意義、2022年内の実用化が見込まれる国産ワクチン、接種後の有害事象等について、5~11歳への接種を目前に控えた今、小児科学、感染制御、ワクチンがご専門の中山氏のご見解に触れておくことは大変有意義と考えます。
健康な子供たちへの現行のmRNAワクチン接種の意義
日本の子供たちのCOVID-19の感染リスクは低く、重症化する例も少なく死亡例もない(4例の報告はありますが詳細は不明)。子供たちに限らず、すべてのワクチン接種に関してはワクチンを受けることでその本人が感染から免れる、重症化を予防できることが第一義です。完全に感染を抑えることはできませんが、ある程度感染から免れることで大切な人(家族)を守る。その積み重ねが社会をまもる。このことは子供たちに限らずすべての人にとってすべてのワクチンに言えることだと思います。社会を守る目的でワクチンをする考え方はインフルエンザで破綻しています。「インフルエンザに罹患することで重症化しやすい高齢者をワクチンで守る」となっています。
mRNAワクチンでコントロールするには
子どもたちへの接種の前に、保護者、子供たちと接する機会のある大人がまず接種すること。
基礎疾患を持っている小児(特に免疫異常、抗ガン剤等で治療中の小児、肥満、糖尿病、心肺疾患の基礎疾患を持っている小児)は感染することで重症化する危険性があるので接種を受けるメリットが高い。
こうした基礎疾患を持っていない健康な小児でも、不特定多数の子供たちが密に接する機会の多いお稽古事とか、学習塾、受験生は感染するリスクが高いので接種を勧める。感染するということは身体的にもつらい思いをすることですし、合併症のことや、症状が軽くてもそれなりに不自由な隔離生活を余儀なくさせられることになりますからストレスになります。ワクチン接種により100%ではないですが感染を予防し軽症化するメリットがあります。
5⁻11歳の健康な小児に限らずどの年代でも感染のリスクを考えたうえでワクチン接種による副反応のリスクを考慮し保護者のみならず本人も理解したうえで接種することだと思います。決して強制することではなくワクチン(科学)は理解する事ですから感染の状況、リスク、ワクチンのメリット、デメリットを理解していただくことです。
ファイザー社、モデルナ社mRNAと国産ワクチンとの違い
国産のワクチンは第一三共がmRNA、KMバイオロジクスが全粒子不活化、塩野義が遺伝子組換え蛋白、アンジェスがDNAワクチンを開発しています。mRNAワクチンといっても各社製造方法が違っているのでひとくくりにはできません。KMバイオロジクス社の全粒子不活化ワクチンはウイルスを培養しホルマリンで不活化しアルミアジュバントを添加したワクチンで中國ではシノバックが製造しており有効率は73%と報告されています。アルミアジュバントは細胞性免疫能を誘導できない欠点があります。塩野義はバキュロウイルスに新型コロナウイルスのスパイク蛋白遺伝子を導入し昆虫細胞でスパイク蛋白を産生させて精製しアジュバントを添加したワクチン。遺伝子組換え蛋白ワクチンはアメリカではノババックスが製造し臨床試験の結果では89%の有効率が報告されています。国産の2社(KMバイロジクス、塩野義)のワクチンは従来型のワクチンでその安全性に関しては長い使用経験があり、現在Phase II/IIIの臨床試験が進んでいます。アンジェスのDNAワクチンは用量を増やして臨床試験を進めています。外国ではイノビオが開発していますがまだ承認はされていません。DNAワクチンは細胞の核の中に入れる必要があるので出遅れている感じがします。あと、VLPセラピューティクスは自己増殖型のmRNAの治験を始めています。実薬対照でワクチン未接種のヒトや、既に2回接種の終了したヒトの3回目の接種の検討も行われています。
2021年の死亡数の増加、あるいはワクチン接種後の小児の死亡例がmRNAワクチンと関連している可能性について
高齢者の接種後死亡例に関してはその原因が出血性脳卒中、虚血性心疾患で一般人口統計からの死亡を超えるものではない。
小児の死亡例4例がファイザー、1例がモデルナ社、基礎疾患を持っている小児といわれているが詳細は?
同じように一般の人口動態の死亡の頻度から見ると低い。因果関係に関して判定できないといわれています。直接的な因果関係を証明できないという意味で疑わしい例はあるかと思います。
mRNAワクチンにより、例えば多合成される多量のS蛋白などを介して、臓器障害や他の感染症の免疫に何らかの負の影響を及ぼす可能性はないと言えるか
アストラゼネカのワクチンで血栓性血小板減少症が報告されています。S蛋白が血中に入って血管内皮のACE2と結合することで血管内皮障害を起こし血栓ができることが原因と考えられるとの仮説も報告があります。同様の事はmRNAワクチンでも起きていると思われます。
2022年1月13日
日本の健康な子ども達は、ウイルスによる自身のリスクは低いものの、社会を守るために接種を受けることに意義がある、との意見があります。以下は、この意見に関し国際医療福祉大学医学部感染症学講座、主任教授の松本哲哉氏から頂いた文章です。感染症の専門家として、個人だけでなくコロナ禍における日本社会全体を見つめてきた松本教授のご見解は、社会を構成する私達一人々々にとって重要な判断材料になると考えます。
なお、以下の文章は、日本における5~11歳の接種が正式に認められる前に寄せられたものです。
「小児を対象としたコロナワクチンの接種については、今後、国内において接種が認められたとしても、対象となる小児全員にワクチン接種を推奨することは賛成ではなく、基本的には個々の判断に委ねるべきだと思います。
私のワクチンにおけるスタンスは、まずは本人を守るという観点で接種すべきかどうか判断することが重要と考えております。そのため、本人にはあまりメリットがないのに、社会を守るため、という理由だけで小児に広く接種を勧める考えは持っておりません。
なお、米国では小児の接種も推奨されていると思いますが、それは1日100万人も感染者が出るような深刻な状況では、小児の感染例もかなり多くなり、いくら重症化しにくいという小児であっても、入院が必要となる症例が増加しております。そのため、もし日本でも相当な感染拡大が起こり、小児の感染例も急激に増加する場合は、方向転換もあり得るとは思います。
いずれにしても、現時点において、もしそれほどの感染拡大でなくとも是非接種していただきたいのは、なんらかの基礎疾患を有していて、感染すると重症化するリスクを有する小児だと思います。さらに、もし感染して後遺症が起こったら心配、あるいは学校に安心して通えるようにしたいという親御さんもおられるかと思います。その考えもごもっともですので、そのような場合は、本人も納得すれば接種をお勧めします。」
2022年1月18日
<Think Vaccineの意見>
Think Vaccine自体の考えは、「新型コロナワクチン接種と子どもの権利に関する見解および提案」に記してあります。本文書は、長崎大学の森内浩幸教授、名古屋大学の小島勢二名誉教授、国内外の法律家や教育者等の見解に基づきThink Vaccineが作成しました。
<各国における小児コロナ関連死者数、政府・学会等による見解、小児接種率等>
<報道や広報等を通じて示された見解>
COVID-19 ワクチンに関する提言(第4版)
(文書の20頁以下に12~15歳および5~11歳の接種に関する提言が記されています)
今後も情報を追加する予定です。
<その他、ワクチン全般に関して>
厚生労働省は、「新型コロナワクチンについて」のウェブページで「有効性・安全性について」、「わかりやすい資料」、「Q&A」等の情報を公開しています。また、「新型コロナワクチンの予診票・説明書・情報提供資材」のページには、各ワクチンの説明書(成分、副反応、感染予防や感染症予防の効果、他)等が掲載されています。
サイト管理者のコメント
以下はNHKにより報道された、mRNAワクチン技術の開発者であるカリコー・カタリン氏と京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥氏との対談です。一部、カリコー氏の人柄や過去の苦労話など、技術以外に関する内容も含むものの、mRNAに関する分かりやすい報道なので、紹介します。
(対談が掲載されたページ)
ヒト肝細胞株におけるPfizerBioNTech COVID-19 mRNAワクチンBNT162b2のIn Vitro細胞内逆転写
(論文”Intracellular Reverse Transcription of Pfizer BioNTech COVID-19 mRNA Vaccine BNT162b2 In Vitro in Human Liver Cell Line” (Markus Aldén, Francisko Olofsson Falla, Daowei Yang, Mohammad Barghouth, Cheng Luan, Magnus Rasmussen, Yang De Marinis)の翻訳文)
以下で紹介するのは、小児科医であり名古屋大学名誉教授である小島勢二氏による動画です。下記①の動画では、ワクチンの効果および副反応、ワクチン接種と集団免疫や変異株発生の関係等についてデータと見解が示されています。②の動画では、主に、ワクチンの重大な副反応についてデータと見解が示されています。
氏は小児科医の観点から、若い世代に対するワクチン接種にも言及しています。
以下は、川崎医科大学小児科教授の中野氏が厚生労働省を通じて示した見解、およびNHKの番組で子ども達からの意見に対し示した見解へのリンクです。子ども本人の健康に軸を置いた接種の考え方がうかがえます。
子どもへの新型コロナワクチン接種の考え方と副反応への対処法(厚生労働省)
子どものワクチン接種(NHK)
元皮膚科、漢方の専門医であり、第一種情報処理技術者でもある鈴村氏は、言論プラットフォーム「アゴラ」で、新型コロナワクチンと、死亡を含む有害事象との因果関係等について詳細かつ多角的な分析を行っています。接種後の有害事象に関するデータの不足等により解析が困難である中、氏のアプローチは、より包括的な解析結果を導出するための道標になるものと思われます。
2021年5月11日、日本記者クラブにより開かれた会見で、大阪大学名誉教授の宮坂昌之氏は、ウイルスの性質、ワクチンの性質や安全性、世代別のワクチン接種の要否等について見解を示しました。
日本記者クラブのウェブサイト
(会見に関する情報が掲載されたページ)
京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥氏(所長)は、新型コロナウイルスによる感染拡大の初期から警鐘を鳴らし情報発信を始めました。氏のウェブサイトには、ウイルスやワクチンに関する様々な情報が分かりやすい形で掲載されています。
近畿大学は新型コロナワクチンに関する情報を発信しています。「ワクチンの効果と安全性」に関する動画では、同大学の宮澤正顯教授(医学部免疫学教室)が、ワクチン誕生の歴史等を紹介しながら、現在接種されているワクチンについて分かりやすく解説しています。